今まで一番危険だった熊との遭遇
先日、生涯熊遭遇9回目となり、一番危険だった遭遇はどれだったかな?と思い出してみた。
6回目の熊遭遇。
2001年7月、福井県大野市下打波、大カツラのあるあたりの民家の裏を渓流に降りていった時のことだった。
民家の裏から渓流に降りて釣りをするつもりだったので、熊鈴は付けなかった。
釣りの支度をして、渓流まで10mほどの斜面を草を掴みながら後ろ向きに降りていった。
斜面半ばまで降りた時、足を滑らせ拳大の石を下に落とした。
しまった!
石が転がって川にボチャンと落ちてしまったら此処のイワナに気づかれてしまうな。
そう思った瞬間、もっとでっかい黒い塊が川にザッパーァァ と飛び込んだ。
ウワァァ 熊 やんか
斜面を大急ぎで登ることもできず、草にしがみついたまま熊の行方を見守るしかなかった。
熊は川を対岸に泳ぎきり、上がったところでブルブルと水を払うと、こちらを睨みつけて動かない。
さっさと対岸の山を登って行かないところを見ると、何かこの斜面に未練があるのだろう。
たぶん、この下に地バチの巣でも見つけて掘っていたに違いない。
そう察して、小生はじわりじわりと民家の裏まで上がった。
熊は小生が見えなくなるまで対岸で睨んで居た。
あの時、石を落してなかったら間違いなくもっと近くに行くまでお互いの存在に気付かなかったであろう。
そうなるとただでは済まなかったかもしれない。
それからは、こんな処に熊なんて居ないという先入観を捨て、風向きにも注意するようになった。
その後、2010年に7回目、8回目、2013年に9回目と遭遇はあるものの、いずれも熊が逃げて行くところを見かけた程度で済んでいるのは熊鈴のおかげだと思う。
なんとなく怪しい茂み、向かい風は積極的に音を出すよう心掛けている。
また、9回の遭遇ではいずれもストック(トレッキングポール)を使っていなかった。
ストックで地面を突く音は案外遠くから熊の耳に届いているのかもしれない。
by t-pastel | 2013-06-12 23:28